体験者の声「模擬患者となっての雑感」

 60歳で定年退職、65歳で再雇用の任期満了、二度目の定年退職をし、晴耕雨解(晴れた日には畑を耕し、雨の日にはクイズを解く)の毎日を送っていたある日、元職場の後輩から、「Uさん何しちょらいますか、暇でしょう。模擬患者をやってもらえませんか?」との電話が突然あった。模擬患者という言葉は知っていたものの、実際どういうことをするのかわからないまま、開学以来40年島根医科大学、島根大学医学部に勤めさせてもらったお礼奉公の意味で模擬患者を引き受けることにした。

最初はどうなるのかと思いつつも、本物の先生に付いて2度、3度と対面練習をしているうちに、模擬患者なるものをおおよそ理解することができた。しかしながら、試験当日になると不安で胸がドキドキ、二人目まで無事終わってやっと落ち着くことができたのを今でも鮮明に覚えている。このドキドキ感は今でも一人目が終わるまで続いている。

学生さんもしかりで、試験が始まっても診察室(試験会場)に呼び入れてもらえず、廊下でスタッフの方と苦笑いしていたことや、ポストオスキー実施の際身体診察をせず、医療面接のみで終わった学生さんがいたり、緊張していることが目に見える場合があるが、こういう場合は最初なるべくゆっくり目にお話しするよう今では心がけている。

平成28年10月だったか、鳥取大学、岡山大学の模擬患者をされている方との交流会があったが、NPO法人化されている岡山の模擬患者の方の演技力に驚かせされたことを今でも覚えているが、今となっては与えられた答えがよくわかるよう淡々と答えればいいのではと思っている。

いつ何時からかはやり始めた「一番痛いのを10とした場合、今はいくつですか?」というような問いかけには、答えに困るようなことがあったが、「数字ではよくわかりません。」との答えが用意されたことは、喜ばしい限りだ。

他大学の模擬患者募集要項を見てみると、年齢20~60歳、65歳未満などの文字が見受けられるが、ここ島根大学医学部では情報漏洩することなく、自分で動くことができれば、年齢不問だと思う。小生80歳(記憶能力喪失??)まではボケ防止のために頑張りたい。

コロナが収まり、いつか茶飲ん話ができるようになることを祈り、最後とします。

 

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